同様の機能をもつ他の製品に比べて、
値段がやや高いと感じることがあります。
従来の狭義のデザインを、コストとして上乗せしているか、
「よいデザインは付加価値なので、高く値段をつける」
ということかもしれません。
これと逆のこと、すなわち、
デザインコンシャスと感じさせながら、コストを低減させ、
手頃な価格を実現することもできるのではないか、
と考えたりします。
例えば、無印良品の多くの製品などが、その例かもしれません。
「これでいい」と思わせるシンプルなたたずまいをまとった製品は、
気持ちのいいものです。
デザインという行為を、製品開発の最終工程での「お化粧」として
とらえてしまうと、コスト増につながってしまうと思います。
一方で、製品開発のプロセス全体を「デザインする」ととらえた時、
ムダな部分、本質的でない部分を
そぎ落としていくことができるようになり、
結果としてコスト削減につながるかもしれません。
「いいデザインは、高くて当然」という認識のままでいると
そのいいデザインが普及せず、消費者も供給者も、
双方が損をしてしまうかもしれません。
よいデザインというものは、
魅力的な機能を有しているだけでなく、
無駄を排しているのではないでしょうか。
コスト削減にもつながる、本質的なデザインが、
求められる時代になってきていると思います。