2010年10月28日木曜日

デザインの力でコストを下げる

いいデザインと感じられる製品は、
同様の機能をもつ他の製品に比べて、
値段がやや高いと感じることがある。

「いいデザインは付加価値なので、高く値段をつける」
ということなのだろうか。

これと逆のこと、

すなわち、いいデザインと感じさせながらも、
手頃な価格を実現することもできるのではないか。

デザインという行為を、
製品開発の最終工程での「お化粧」としてとらえてしまうと、
コスト増につながりやすい。

一方で、製品開発のプロセスの初期段階から、
「顧客にとっての価値を発見すること」を、
デザイン行為と捉え直すことが大切だと感じる。

顧客にとっての価値が、開発の初期段階から発見できていれば、
その価値の実現に注力することができ、
お化粧的な旧来のデザイン行為を、
本質的でないステップとして、そぎ落とすことができるかもしれない。

それは、結果としてコスト削減につながるだろう。

「いいデザインは、高くて当然」という認識のままでいると
そのいいデザインが普及せず、
消費者と供給者の双方が損をしてしまう。

いいデザインというものは、
魅力的な機能を有しているだけでなく、
無駄を排しているものだと思う。

コスト削減にもつながる、本質的なデザインが、
求められる時代になってきているのではないだろうか。

そのデザインは、価値生み出しているのか、それとも飾り付けなのだろうか。

2010年10月27日水曜日

日経電子版のiPhoneアプリは便利

日経電子版のiPhoneアプリが先週公開され、使い始めてみた。

今まで、iPhoneで読もうとする場合は、
Safari(Webブラウザ)で読むしかなかったので、
あまり実用的とはいえなかったが、
このアプリのおかげで、iPhoneでも、とても読みやすくなった。

一度記事を読み込んでおけば、オフラインでも読めるので、
地下鉄などの移動中でも、ストレスなく読めるのはありがたい。

一方で、

一面トップの記事であっても、その他の記事も、
すべて同じフォーマットなので、

読むときの気分がニュートラルになり過ぎる

のも事実である。

文字情報であっても、見た目のメリハリが大切と感じる。
ただ、紙の新聞紙面のレイアウトを再現すればよいという
単純な事でもないような気もする。

デジタルガジェット上でのニュース記事の見せ方は、
これからも試行錯誤がつづくのだろう。

ちなみに、iPadアプリのFlipboardは、
実験的とはいえ、なかなか面白い見せ方をしてくれ、
iPad上で愛用している。

2010年10月21日木曜日

2010年10月20日水曜日

創造力と想像力

新しい価値を生み出そうとするとき、

創造力(creativity)

の重要性は、常に意識されることだと思う。

一方で、日本語では同じ読み方になる

想像力、すなわちimaginationも、

creativityと同様に、重要なのではないか。

この「想像」という言葉は、日本語では、
ネガティブな意味で使われることがある。

「想像の話じゃなくて、現実味のある話をしてくれないか?」

という感じで。

しかし、創造(creation)という行為は、
想像(imagination)を形にする行為に他ならないのではないかと思う。

imaginationが形をともなったとき、
それは「想像の産物」でなく、
現実の価値を表すものとなるだろう。

imaginationの豊かさが、
creativityの能力と大いに関係しているはずだ。

創造力の低下をなげく前に、
想像力が発揮できているかを気にかけておきたいと思う。

2010年10月19日火曜日

自分の想像力の範囲を超える方法

例えば、「子供用の歯ブラシをデザインする」というテーマが与えられたとしたら、
どのようなプロセスでデザインしていくだろうか?
以下のような感じで考えることが多いかもしれない。

Step 1. 対象となる子供の年齢の範囲を設定し、その子供たちの手の大きさの平均値を調べる
Step 2. 大人の手の大きさの平均値を調べる
Step 3. 大人用の歯ブラシを、子供用の大きさに合わせて縮小する

このようなやり方は、論理的には正しく見える。

ここで、実際に子供が歯磨きをしているところを観察してみるとどうなるだろう。

観察してみると、子供は大人ほど手先が器用でなく、
歯ブラシをわしづかみにして磨いている様子を発見できるかもしれない。

そのとき、

「子供サイズの歯ブラシは、わしづかみするには細すぎる」

ということに気づけるだろう。
そして、「子供が握りやすい歯ブラシのグリップ」というテーマが見つかり、

「大人用より太いほうがいいんじゃないか?」というアイデアにつながっていく。

先ほどの、論理的に正しいはずのやり方と、逆の結論が得られるのだ。

自分の想像力の範囲では、
「子供用は小さくする」というあたりまえの発想から抜け出すことは難しいが、
観察によって現実を知ることで、
自己の想像力の範囲を簡単に超えられることがある。

IDEOなどのデザインファームが、観察の大切さを主張するのは、
こんなところに理由があるのだと思う。

参考: 発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

2010年10月15日金曜日

未知のアフォーダンスを発見する

深澤直人さんのwithout thoughtや、IDEOのthoughtless actsのことを考えながら、こんなことに思いを馳せてみる今日この頃。

アフォーダンスという言葉の意味は、モノが持つ特徴(色や形、材質など)や、それが置かれた状況が、それを使うユーザに対して、そのモノ自体をどう使うかについてのメッセージを発していること、という感じだろう。

例えば、バス停でバスを待っているときに、その近くにガードレールがあったら、無意識に座ることがあるだろう。ガードレールは座るためのものではないと知っているけれど、思わず座りたくなる。

そんなとき、そのガードレールは、座ることをアフォードしている、と捉えることができる。

私たちが、さまざまなモノと触れ合う中で、その使い方を教わったり、強制されていないのに、思わずそう使っている、という状況があることに気がつく。

私たちが、日常生活の中で、あるいは仕事の中で、無意識のうちに行なっていること。そこに注意を向けると、いいデザインとは何か、ということに対してのヒントが得られるかもしれない。

人を観察することによって、その人にとっての「未知のアフォーダンス」を発見することができるかもしれない。

雨の日、傘立てのないスーパーの入り口。傘置き場として完璧な場所。これよりエレガントな傘立て・傘置き場をデザインしたいものだ。

関連項目:アフォーダンスの力

2010年10月14日木曜日

内面の美しさが外観に現れる

その対象がなんであれ、
美しいと感じるものは、
その内面の美しさが滲みだしてきたのだ、
と思うことがある。

「外観は、内面の表れである」という考え方は、
多くの場合に当てはまる、という印象。

本当の美しさは、中身がないと表現できないのではないだろうか。

「機能美」という言葉がある。
目的を達成するための機能が実現されたとき、
そこに美しさが宿る。

ある目的のための機能を実現する手段は、おそらくたくさんある。
その手段のうち、余計な飾りが取り除かれ、本質がデザインされたとき、
美しいと感じるのだろう。
ゴルフクラブは、その設計思想が、美しさに現れやすい工業製品の一つであろう。構えたときに、「これならうまく打てる」という感覚を与えてくれるクラブは、そのスペックだけでは語れない美しさを持っている。

2010年10月13日水曜日

その行為はデザインだろうか?装飾だろうか?

デザインについて考えるとき、デザインと装飾、この違いを意識するようにしている。デザインと装飾の違いは、どこにあるのだろうか。デザインについて語られているとき、「それは装飾のことでは?」と感じることも、しばしばである。

一つの考え方として、「装飾は、加えること」、「デザインは、余計なものを引いていくこと」、といえるかもしれない。

素材に対して、飾りを加えていくことで、楽しさ、美しさを演出することが、装飾ということだとしたら、デザインというのは、混沌とした現実から本質を見つけ出し、不要なものをそぎ落としていくという行為、と捉えてみたくなる。

なにかを加えたくなったとき、ほんとうにそれは必要なのかどうかを考えることが、デザインという行為の大切なステップなのではないかと思う。そしてその結果、加える代わりに、そぎ落とした方が魅力的になる、ということにたどり着くことがあるかもしれない。

2010年10月6日水曜日

気軽に飲めるホテルの部屋のドリンク

ホテルの冷蔵庫に入っているドリンクは、
多くの場合、「ホテル価格」であるが、
そうでないホテルもある。

伊東温泉にある「アンジン」の部屋にあるドリンクは、
コンビニ価格と同等なので、気軽に利用できる。

このホテルには、立派な食事処はあるが、
バーラウンジがないので、
部屋で気軽にビールを調達できるのはありがたい。

2010年10月5日火曜日

日常の中の非日常空間

東京メトロ千代田線、国会議事堂前駅。

週末の昼下がり

Street Surfer

東京ミッドタウンの駐輪場で先日見かけた変わった自転車。前輪が小さな4輪になっていて、安定性がよさそう。ここを見ると、なかなかアグレッシブなライディングが可能な模様。

2010年10月3日日曜日

HIS MASTER'S VOICE

蓄音機に耳を傾ける犬。
ビクターのマスコットキャラクターとして有名だけれど、
この絵のタイトルが、また最高にセンスがよろしい。

"HIS MASTER'S VOICE"

It's cool!