2009年1月19日月曜日

書く機会をデザインしたブログ

ブログというシステムは、書く機会をデザインしている、といえるかもしれません。

ブログが登場する以前は、HTML文書を、何らかの方法で書くことができる知識を
持った人が、自前のホームページ上に日記的なフォーマットで書いている程度
で、技術的な知識が壁となっていたように思います。

ブログシステムが登場した現在では、最初の初期設定の壁さえ越えれば、誰で
も、しかも無料で、Web上にページが持てるようになりました。これが、さまざ
まな人に、書く機会を用意したのだと思います。

インターネット上に公開されているという点で、メディアとしてはグローバルで
あり、世界中に発信できる可能性を、無料あるいはきわめて安価に提供できてい
るという事実は、ある意味驚くべき事実だと思います。

書籍、雑誌、テレビ、ラジオなど、既存のメディアは、編集者やディレクターと
いった専門家が、コンテンツの品質を高める役割を担っていますが、だれもが発
信できるメディアではありません。一方で、ブログは、品質はその人次第だけれ
ど、誰もが発信できるメディアになっています。

既存メディアの有名人が、ブログでも人気という話はよく聞きます。また最近
は、ブログでの発信が注目されて、既存メディアに取り上げられる、という流れ
もでてきています。ブログの記事が、書籍としてまとめられたり、テレビ番組の
ネタになったりしていますね。

ブログというシステムは、日記形式という、紙メディアしかなかった頃の単純な
フォーマットが、複雑なものも実現可能な最先端技術の上に現れ、さらに無料あ
るいはきわめて安価に提供されたとき、爆発的に普及したといえるのではないで
しょうか。

ブログに何を書くか、だれもが書く機会を得られる今だからこそ、一人ひとりが
「書くこと」の面白さを感じ、同時に難しさに直面しているのかもしれません
ね。ブログを発信することで、書く技術、伝える技術を体得した若者が、今後の
メディアをどのように変えていくのか、面白い未来が待っているのではないかと
思います。