2009年1月13日火曜日

混沌と秩序の意図的な往復

新しい価値を生み出そうとするとき、
調査・分析といった言葉から想像される
折り目正しい行為のみでやろうとすると、
優等生的というか、無難というか、
結果的にインパクトに欠けるものに
落ち着いてしまうことが多いのではないでしょうか。

一時代前の、高度経済成長の頃は、
作るべきものや、その目標値(性能や品質など)が
はっきりしており、
折り目正しい努力が報われていたのではないか、
と思います。

一方で、

なにが新しい価値になるか、予想がつかない時代となった今、
従来のやり方だけでは、なかなかいいものが生み出せなく
なってきたのではないでしょうか。

あたらしいアイデアがなかなか出ないとき、
議論は混沌とし、フラストレーションが高まるものです。
私たちは、このフラストレーションを避けるように行動したくなり、
秩序だった管理・統制が正当化されがちです。
しかし、管理・統制型のマネジメントからは、
新しい価値が生まれてこない、という
ネガティブスパイラルに落ち入ってしまう、
これが現状なのではないでしょうか。

新しいことにチャレンジするときに生じる、混沌とした状況、
この状況を、避けるのではなく意図的に実践すること、
これが、イノベーションを起こしていくために、
これからの組織マネジメントに必要なことなのではないでしょうか。

混沌のなかで、きらりと光るアイデアに気づき、
そのアイデアを、試行錯誤の繰り返しでブラッシュアップして、
実現可能な秩序を作り上げていく。

いまいち実現可能性が望めないときには、
もう一度、混沌の状況をつくりだす。

このような、混沌と秩序の意図的な往復が、
今後のマネジメントに必要とされている視点かもしれません。

参考文献:知識デザイン企業