2007年8月16日木曜日

ゴルフクラブのセットアップ


趣味のゴルフは、もう10年以上続けているのですが、
今まで、結構な数のゴルフクラブを買い替えてきました。

クラブ選びの視点として、いつも大事にしていることは、
構えたときに、気持ちよく見えることが大切だと思っています。

ほとんど、見た目の好みの問題ですが、
スペックも含めて、これならうまくできそう、という
イメージを持てるかどうかが、
重要なポイントだと思います。

機能のデザインと、見た目のデザイン、
これらの両方を満足させてくれるものを、
選びたいと思っています。

2007年8月13日月曜日

自転車


ひと月ほど前、自転車を購入し、
以来週末は自宅周辺を自転車で散策しています。

それまでは、徒歩圏内か、
地下鉄に乗ってどこかに行くというパターンでしたが、
その中間圏に簡単に行くことができて、とても便利です。

2007年8月12日日曜日

ル・コルビュジエ展

昨日、六本木ヒルズの森美術館に、
ル・コルビュジエ展に行ってきました。

コルビュジエは、建築家であると同時に、
絵画や彫刻の芸術家でもあったんですね。
天才おそるべし!

人間のサイズを考慮に入れたモデュロールという尺度を基本に、
建築設計を行っていたことが、勉強になりました。

お盆休み中ということで、とっても混んでましたよ!

2007年8月1日水曜日

新しい考えを受け入れるための頭の中の領域

未来をデザインして、それを実現していくためには、様々な場面での意思決定を積み重ねていく必要がある。その際に、「今までの経験・知識」が邪魔をする場合がある。

例えば、新しいアイデアによってもたらされる変化の効果と、そのリスクを考えたときに、今までの知識に基づいて、リスクのほうが大きいという判断をしてしまい、変えないことへのリスクが考慮されずに、新しいアイデアが葬り去られてしまうといったことが起きてしまうことがある。

新しい考えを受け入れるためには、頭の中に、それを受け入れる領域を用意する必要があるのかもしれない。その領域を作る行為のことを、アンラーニング(unlearning)と呼んだりする。

「重要であるはず」と思っていることこそ、一度アンラーニングしてみる必要がある。

その結果、「やっぱり重要だね」と思えればそれでいいし、さらに高質な気づきに発展するかもしれない。

自分の頭の中に、新しい考えを受け入れる領域を用意しているかどうか、それが、学ぶために不可欠な姿勢なのではないだろうか。

2007年6月19日火曜日

本質の追究と合理性の追究

先日、「弱さのデザイン」という考え方を、このページで知りました。
とてもしみじみしたので、ご紹介させていただこうと思いました。

以前の記事(2006年12月10日)で、
「デザインとは、混沌とした世界から、本質を見つけ出し、不要なものをそぎ落としていくという行為」
と書いたことがありましたが、
本質を追究するあまり、合理性への偏りが生じてしまう危険性を、
「弱さのデザイン」の記事は、気づかせてくれました。

『...弱さとは、合理的でないもの、目に見えないもの、手に触れられないもの、あいまいなもの、不定形なものなど、
近代合理主義の枠から外れるものをいい、それらを抹殺することによって、強さをつくり出したのです...』

という指摘は、ハッとさせられました。

『そもそも人間とは、さほど強いものでもありません。
移ろいやすく気まぐれで、傷つきやすくて脆いものです。
そうした人間を取り巻く世界は、近代のいうところの合理性とはだいぶ違うものです。』

お客さまのためのデザインを考えるときに、忘れてはいけない視点だと思いました。
本質を追究することが、合理性の追求とはイコールではないことを認識しておく必要があるようです。
「人にやさしい合理性」に到達できるか、それとも「人を困らせる合理性」になってしまうのか、
その分かれ目になるのかもしれませんね。

2007年3月16日金曜日

技術を顧客価値につなげる

先日、大手総合電機メーカーのデザイン部門に招かれ、「イノベーティブワークウェイの実現に向けて」と題して、講演させていただきました。30名ほどのデザイナーのみなさんや、デザイン部門の部門長さまにもご参加いただき、2時間ちょうどの予定が、30分オーバーするほど、質疑応答がもりあがりました。

講演の内容は、昨年コラボレーションしたIDEO社の事例として、イノベーティブなワークスペースのあり方と、イノベーションプロセスの実践論をお話し、その後、デザイナーがHUBとなるイノベーションプロセスの実践と、その組織展開について、お話とディスカッションを行いました。

講演の中で、「イノベーション」という言葉を、どう捉えるかという問題提起をし、「イノベーションとは、技術を生み出すことではなく、生み出された技術を顧客価値につなげることではないか」という考え方を述べました。講演後に部門長さまと会食した際に、「そのイノベーションの定義は、まさにそうだと思う」と共感していただくことができました。

さて、技術を顧客価値につなげるには、どうしたらいいのでしょうか。イノベーションを起そうとするときに、常に問われる課題だと思います。それを解く一つのカギは、技術を知っている人と、顧客・市場を知っている人の存在と、その両者をつなぐ人、この3者の存在が、少なくとも必要なのではないか、と考えています。技術を知っている人は、研究所や開発部門にいるはずです。顧客・市場を知っている人は、マーケティング部門や営業部門にいるでしょう。その両者のつなぐ人は、どこにいるのでしょうか?

その役目として適任なのが、デザイン思考ができる人なのではないか、と考えています。デザイン思考ができる人とは、ユーザ基点での価値創造を行うプロセスを実践している人、と言うことができるかもしれません。

マーケティングの専門家とのコラボレーションで、ユーザのニーズを捉え、技術の専門家と一緒に、ニーズを満たす(あるいは超える)形にしていく。イノベーションを起すために、そのような役割が、ますます重要になってくるのではないか、と考えています。

2007年3月6日火曜日

余白をデザインする

「余白」という言葉に、みなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか。
「余分な空白」とか、「余白を埋めよ」という試験問題文を
思い浮かべたりするかもしれませんね。

「余白」という言葉は、辞書によると、
「文字などを書いてある紙面で、何も記されないで白いままで残っている部分。空白。」
という意味のようです。
特に難しい意味はないようですが、「余白」に対する認識は、
人それぞれかもしれません。
余白を、「埋めるもの、残したくないもの」と捉えるか、
「そこに必要な余白について考える」かで、
デザインのアプローチが大きく変わってくると思います。

余白について考えるとき、わかりやすい例として、
古い広告をご紹介したいと思います。
60年代のフォルクスワーゲン・ビートルの新聞広告です。
巨大なクルマが当たり前だったアメリカで、
"Think small"というメッセージを投げかけています。
ビートルの小ささが、余白の大きさとの対比で、強力に表現されている広告です。

必要な余白を認識し、それを残すセンスを持ちたいと思っています。
詰め込むことによって、逆に失われてしまうものがあること、
余分でない余白、意味をもつ余白を意識していたいと思います。

2007年2月9日金曜日

「いいね、これ!」の本質

製品やサービスに対して、お客さまが重視している選択基準について考えています。お客さまの要求や期待、製品やサービスの種類によって、その基準は多岐に渡るのでしょう。

私たちは、「うちのコレのほうがいいですよ!」というメッセージを、お客さまに届けるために、日々活動してるのだと思います。そのアピールポイントは、機能・性能であったり、品質であったり、価格であったり、サポート体制であったり、デザインであるかもしれません。

製品・サービスの競争優位性を維持するためには、技術力、営業力、マーケティング力、サポート力などの内的要因や、競争相手の少なさ、法や規制での保護による外的要因など、さまざまな要因を検討する必要があると思いますが、「お客さまがその製品・サービスを選ぶとき、なにが決め手(魅力)なのか?」ということに着目すると、本質的な顧客価値に気づけるかもしれません。

「これでしか実現できない機能」に対して、お客さまが価値を感じてくださるのであれば、それを実現する技術力と、それをお客様に知ってもらうマーケティング力がキーポイントになるでしょう。

価値は十分お客さまに理解されていて、競争相手が明確な場合は、営業力とサポート力の勝負かもしれません。

「技術開発競争の中で、技術力で競争優位性を保つことが、とても難しくなってきている」と、経営コンサルタントのトム・ピーターズが指摘しています。もちろん、技術の追求に終わりはなく、継続していくべき重要な仕事だと思います。そして、さらに必要なのは、その技術を、顧客価値につなげていくということではないでしょうか。その役割を担うのが、デザインの仕事かもしれない、と感じています。

「いいね、これ!」とお客さまが言ってくれたとき、何をいいと言ってくれたのか、『「いい」の本質』を知りたいと思っています。それが、顧客価値そのものなのではないでしょうか。

2007年2月6日火曜日

未知のアフォーダンスを発見すること

デザインする行為とは、どういうことかを考えていたとき、ふと、未知のアフォーダンスを発見することかも、と気がついたことがあります。

アフォーダンスという言葉は、すこし難しい概念ですが、「モノが持つ特徴(色や形、材質など)や、それが置かれた状況が、それを使うユーザに対して、そのモノ自体をどう使うかについてのメッセージを発していること」、といえるかもしれません。

例えば、バス停でバスを待っているときに、その近くにガードレールがあったら、思わず座りたくなったりします。ガードレールは椅子ではないことは、誰でも知っていますが、「座ることをアフォードしている」と、捉えることができます。

私たちが、さまざまなモノと触れ合う中で、その使い方を教わったり、強制されていないのに、思わずそう使っている、という状況があることに気がつきます。パソコンの画面上であっても、思わず[購入]ボタンを押してしまうとか(^^;)。これはちょっと違うかな(^^;;)

私たちが、日常生活の上で、あるいは業務の上で、無意識のうちに行なっていること、そこに注意を向けると、いいデザインとは何か、ということに対してのヒントが得られるかもしれません。ユーザを観察する、ということは、そのユーザが気づいていない、つまり、そのユーザにとって未知の、アフォーダンスを発見すること、なのかもしれないな、と思っています。

2007年1月31日水曜日

銀座ITO-YAでの「ちょっといい経験」

先日、ワークショップグッズなどを納めるための、いい箱を探しに、銀座のITO-YAに行きました。朝の開店時間が10:30で、到着したのが10:20頃でした。

早めに駅に到着したので、店の周りをちょっと散歩しながら、開店時間を待とうと思っていたのですが、ITO-YAの入り口を見てみると、どうやら扉が開いていて、お客さんと思えるひとたちがいるのが見えました。

「早めに開店しているのかな?」と思い、店の前に行ってみると、開店はしていなかったのですが、入り口の暖房の効いたロビーのところでお茶が振舞われていました。

寒い時期に、開店直前に行った私たちに対して、このようなホスピタリティを提供してくれたITO-YAに、ちょっと感動しました。すばらしい場のデザインと言えると思います。

2007年1月12日金曜日

ユーザ観察からはじめるデザイン その2

ユーザー観察が大切だと思う理由の一つとして、自分の想像力の範囲を、簡単に越えられる、というお話を書きましたが、もう一つの理由として、デザインチームのメンバー間相互の、共感を醸成することができる、という点が挙げられると思います。

自分たちでユーザーを観察してきた後、それぞれのメンバーが、自分が見たこと、聴いたことを、他のメンバーと語り合うことで、「そうそう、あのときのあの人の楽しそうな表情が忘れられないよ!」とか、「あの場面では、あんなに操作が大変なんだなー。愚痴をこぼしながら使っていたもんな。」など、人間の行動を、感情も含めて、深いコンテキストを理解しあうことができるようになると思います。

このように、ユーザーに共感し、そのストーリーにメンバー同士が共感し合える状況をつくるためには、事実を自ら見聞きする観察をすることが、とても大切だと思うのです。そして、共感できる事実にもとづいた、意思決定をしていくことができるようになると思います。

2007年1月10日水曜日

ユーザ観察からはじめるデザイン

昨日の記事で、IDEOのイノベーションプロセスは、ユーザ観察からはじめると書きましたが、実際にIDEOと協業してみると、この事が本当に大切だと感じました。

その理由の一つとして、実際のユーザーを観察することで、自分の想像力の範囲を、簡単に越えられる、ということが言えると思います。

例えば、「子供用の歯ブラシをデザインする」というテーマが与えられたとき、観察なしでデザインしようとすると、どういうプロセスを経るでしょうか?

Step 1: 対象となる子供の年齢の範囲を設定し、その子供たちの手の大きさの平均値を調べる
Step 2: 大人の手の大きさの平均値を調べる
Step 3: 大人用の歯ブラシを、子供用の大きさに合わせて縮小する

こんな感じで、考えるかもしれませんね。

ここで、実際に子供が歯磨きをしているところを観察してみると、何が変わるでしょうか。観察してみると、例えば、子供は大人ほど手先が器用でなく、歯ブラシをわしづかみにして磨いている様子を発見できるかもしれません。

そのとき、「子供サイズの歯ブラシは、わしづかみするには細すぎる」ということに気づけるかもしれません。そして、「子供が握りやすい歯ブラシのグリップ」というテーマが見つかり、「大人用より太いほうがいいんじゃないか?」というアイデアにつながるかもしれません。

思ってもいなかった発見に至ることは、とてもエキサイティングなことだと思います。観察は、その手段として、とても有効だと感じています。

2007年1月9日火曜日

IDEOというデザインファーム

IDEO(アイディオ)というデザインファームがあります。

Appleの初期のマウスや、PowerBook Duo (なつかしい!) のドッキングシステムなどを、実際にデザインしたファームです。PalmやHandspringなどのPDAや、歯磨き粉のチューブ、スポーツドリンクのボトルのデザインなど、幅広く手がけています。

IDEOは、デザインを手がけるだけでなく、自分たちのデザイン手法を基にしたコンサルティングも行っていて、その手法を「イノベーションのプロセス」と言っています。

IDEOのイノベーションプロセスは、ユーザー観察から始まり、ブレインストーミングでのアイデア出しを経て、プロトタイピングを何度も素早く繰り返していくという流れをとっており、この流れをIDEOのデザイナー全員が共有しています。

半年ほど前、IDEOと協業する機会を得て、1ヶ月ほど、Palo AltoにあるIDEOの本社で、彼らと一緒に仕事をしてきたのですが、実際に協業してみて感心したのは、そのスピード感でした。ユーザー観察からプロトタイピングまでを3週間程度でやってしまいます。一度のプロトタイピングでは、いいものはできないという前提のもとで、ユーザーの声を取り入れながら、何度もプロトタイピングを繰り返し、いいものに近づけていく。これが、結果的に、早くいいアイデアにたどり着く方法なんだ、ということでした。

早く成功するためには、早めに失敗しておくことが大切」という価値観を、デザイナーが共有していて、失敗を恐れない文化が根付いていました。

私たちは、つい失敗を恐れて、一歩目を踏み出せないことがありますが、IDEOのような考え方を取り入れることができれば、「最初はできないと思っていたけど、いろいろトライしてみたら、できたね!」という経験を、積み重ねられるかもしれませんね!