2007年1月9日火曜日

IDEOというデザインファーム

IDEO(アイディオ)というデザインファームがあります。

Appleの初期のマウスや、PowerBook Duo (なつかしい!) のドッキングシステムなどを、実際にデザインしたファームです。PalmやHandspringなどのPDAや、歯磨き粉のチューブ、スポーツドリンクのボトルのデザインなど、幅広く手がけています。

IDEOは、デザインを手がけるだけでなく、自分たちのデザイン手法を基にしたコンサルティングも行っていて、その手法を「イノベーションのプロセス」と言っています。

IDEOのイノベーションプロセスは、ユーザー観察から始まり、ブレインストーミングでのアイデア出しを経て、プロトタイピングを何度も素早く繰り返していくという流れをとっており、この流れをIDEOのデザイナー全員が共有しています。

半年ほど前、IDEOと協業する機会を得て、1ヶ月ほど、Palo AltoにあるIDEOの本社で、彼らと一緒に仕事をしてきたのですが、実際に協業してみて感心したのは、そのスピード感でした。ユーザー観察からプロトタイピングまでを3週間程度でやってしまいます。一度のプロトタイピングでは、いいものはできないという前提のもとで、ユーザーの声を取り入れながら、何度もプロトタイピングを繰り返し、いいものに近づけていく。これが、結果的に、早くいいアイデアにたどり着く方法なんだ、ということでした。

早く成功するためには、早めに失敗しておくことが大切」という価値観を、デザイナーが共有していて、失敗を恐れない文化が根付いていました。

私たちは、つい失敗を恐れて、一歩目を踏み出せないことがありますが、IDEOのような考え方を取り入れることができれば、「最初はできないと思っていたけど、いろいろトライしてみたら、できたね!」という経験を、積み重ねられるかもしれませんね!