2007年3月6日火曜日

余白をデザインする

「余白」という言葉に、みなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか。
「余分な空白」とか、「余白を埋めよ」という試験問題文を
思い浮かべたりするかもしれませんね。

「余白」という言葉は、辞書によると、
「文字などを書いてある紙面で、何も記されないで白いままで残っている部分。空白。」
という意味のようです。
特に難しい意味はないようですが、「余白」に対する認識は、
人それぞれかもしれません。
余白を、「埋めるもの、残したくないもの」と捉えるか、
「そこに必要な余白について考える」かで、
デザインのアプローチが大きく変わってくると思います。

余白について考えるとき、わかりやすい例として、
古い広告をご紹介したいと思います。
60年代のフォルクスワーゲン・ビートルの新聞広告です。
巨大なクルマが当たり前だったアメリカで、
"Think small"というメッセージを投げかけています。
ビートルの小ささが、余白の大きさとの対比で、強力に表現されている広告です。

必要な余白を認識し、それを残すセンスを持ちたいと思っています。
詰め込むことによって、逆に失われてしまうものがあること、
余分でない余白、意味をもつ余白を意識していたいと思います。