2009年4月7日火曜日

「お客さまのため」とはどういうことなのか

「ユーザーのために」、「お客さまのために」という目標を掲げて、
日々、企業努力は続けられています。

「かけ声だけで、実際のところは...」という悩みがあることも、
また事実だと思います。

なにか、お客さまにとって価値のあるモノを作ろうとしたときに、
"User-Centered"や"Human-Centered"という考え方を取り入れて、
「お客さまのためになるモノ」を考えたりします。

そのとき、「お客さまのためになるって、どういうことだろう」
と思うことがあります。

「お客さまの要望に応える」ということは、
広い意味ではその通りなのだと思いますが、
要望に直接応えることが、長期的に見ると、
かえってお客さまの利益を損なうことになる、
ということもあるのではないでしょうか。

例えば、「楽に移動したい」という要望に対して、
「おまかせください。このボタンを押すだけで、
目的地まで、なにもしなくて結構です」
という解決策が、お客様のためになっているのかどうか。

確かに、楽に移動できて、要望を満たしていますが、
体を動かさなくても移動できるという機能が、
長期的に見ると、体の機能・能力を退化させるという
結果を生み出すかもしれません。

「身体的に楽をする機能」を日常的に享受しながら、
ダイエットのために、お金を払って体を動かしに行く、
ということが、現代社会ではすでに起こっていますよね。

「お客さまのため」とはどういうことなのか、
考え続けていく必要がありそうです。