「歩留まり」という言葉は、
生産現場などでよく使われる言葉だと思います。
辞書をひいてみると、
「加工に際し、使用原料に対する製品の出来高の割合(大辞林)」
とあります。
不良品を少なくすることを、「歩留まりを上げる」と
言うことも、よくありますよね。
ところで、
製造業の品質の高さが、これまで日本の強みの一つであったのだと思いますが、
これは、「歩留まりを極限まで上げて行こう」というアプローチが、
功を奏してきたのだと思います。
「歩留まりを上げよう、品質を上げよう」というメッセージは、
疑いの余地のない、否定できない考え方のように思えます。
この考え方を、愚直に実行してきたからこそ、
工業立国としての日本が、今まで成り立ってきたのかもしれません。
しかし、企業の中の仕事を見渡してみたときに、
今、多くの企業が、
「新しい価値作り」がなかなかできない、
という課題に直面しているのではないでしょうか。
この、新しい価値作りというフェーズで、
もし、「歩留まり第一、品質第一」という価値観が、
組織を支配してしまったとしたら、
はたして、新しい価値が生み出せるかどうか。
光るアイデアを出せる人・組織は、
その何倍・何十倍もの、
光らなかったアイデアを出しているものです。
価値のモトとなる「新しいアイデアの歩留まり」という表現があるとすれば、
その歩留まりは、とても低い、という認識が、
まずは必要かもしれません。
低い歩留まりに対抗するには、
「数多くのアイデアを出す」こと、
それらのアイデアをバカにしないこと、
足りない部分を、補い合うこと、
そして、
つねにポジティブに向き合うことが、
大切なのではないか、とおもう今日この頃です。