2010年1月18日月曜日

アイデアの歩留まり

「歩留まり」という言葉は、
生産現場などでよく使われる言葉だと思います。

辞書をひいてみると、

「加工に際し、使用原料に対する製品の出来高の割合(大辞林)」

とあります。
不良品を少なくすることを、「歩留まりを上げる」と
言うことも、よくありますよね。

ところで、

製造業の品質の高さが、これまで日本の強みの一つであったのだと思いますが、
これは、「歩留まりを極限まで上げて行こう」というアプローチが、
功を奏してきたのだと思います。

「歩留まりを上げよう、品質を上げよう」というメッセージは、
疑いの余地のない、否定できない考え方のように思えます。
この考え方を、愚直に実行してきたからこそ、
工業立国としての日本が、今まで成り立ってきたのかもしれません。

しかし、企業の中の仕事を見渡してみたときに、
今、多くの企業が、
「新しい価値作り」がなかなかできない、
という課題に直面しているのではないでしょうか。

この、新しい価値作りというフェーズで、
もし、「歩留まり第一、品質第一」という価値観が、
組織を支配してしまったとしたら、
はたして、新しい価値が生み出せるかどうか。

光るアイデアを出せる人・組織は、
その何倍・何十倍もの、
光らなかったアイデアを出しているものです。

価値のモトとなる「新しいアイデアの歩留まり」という表現があるとすれば、
その歩留まりは、とても低い、という認識が、
まずは必要かもしれません。

低い歩留まりに対抗するには、
「数多くのアイデアを出す」こと、
それらのアイデアをバカにしないこと、
足りない部分を、補い合うこと、
そして、
つねにポジティブに向き合うことが、
大切なのではないか、とおもう今日この頃です。