以前の銀塩フィルムの時代では、
「ここぞ」というシャッターチャンスを意識しながら、
フィルムを大事に使っていたものですが、
デジタルカメラが普及した現在、
フィルム代を気にせず、
いつでも気軽に写真撮影ができるようになりました。
先日、某美術大学で、先生たちと雑談をしていたとき、
カメラの話題になったのですが、
そこで、あることにふと気づきました。
私の場合、
デジカメで、どんどんパシャパシャ撮影をして、
iPhotoに取り込んだ後で、「あ、これいい!」
という具合にしているなと。
これは、
「デジカメの世界では、シャッターチャンスを撮影後に発見している」
と言えるかもしれません。
おそらく、プロカメラマンは、以前から、
大量に写真を撮って、後で選ぶという作業をやっていたのだと思います。
デジカメになって、その作業を、一般の人間もできるようになった、
ということかもしれません。
「ハイ、チーズ」とか、「いちたすいちはに〜」など、
撮影の合図として今でもよく耳にしますが、
これは、大切なフィルムを無駄使いしないように、
シャッターチャンスを意図的に作るための作法だったのだと思います。
デジカメでも、「ハイ、チーズ」は有効だと思いますが、
いい表情は、ハイチーズのかけ声の「前後」に現れるものです。
気兼ねなく何枚でも撮れるデジカメでは、
その辺の表情を捉えられるように写したい、と思っています。