2013年12月15日日曜日

MacとiPadでラジオを録音する

今から20年前、90年代前半までは、FMラジオ番組をカセットテープに録音して、ヘッドホンステレオ(いわゆるウォークマン walkman)で聴くことが、若者(当時の筆者)の日常であったように思う。

最近になって、自宅でたまたまラジオを聴いていたときに、ふと「20年ぶりにエアチェック(ラジオを録音すること)でもしてみるかな」と思い立った。

2013年の現在、ラジオを録音するにはどうすればよいのか。専用の機器類を持っていれば簡単なのだろうが、手元にはない。実は、ラジオとカセットデッキは手元にあるのだが、これでは20年前と変わらないので、現代風のやり方でやってみようと思いを巡らせた。

数年前、手元に残っていたカセットテープ数十本をiPhoneで聴けるようにするために、カセットデッキをMacにつなぎ、Mac上のGarageBandを使ってデジタル化して、iTunesのライブラリに取り込んだことを思い出した。カセットデッキの代わりにiPadをMacにつなぎ、iPad上でradikoを使ってラジオを流せば、GarageBandで録音しiTunesに持って行けるはずだ。そのやり方をメモしておく。

iPadとMacを接続

まず、iPadとMacをステレオミニケーブルで接続する。iPadのヘッドホンジャックからMacのマイク入力へつなぐ。ここがアナログ接続であることが少し歯がゆいが、実質上なんの問題もないので気にしないことにする。

iPadでradikoを起動

iPadでradikoを起動し、好みのラジオ番組を流しておく。iPad側の音量は、最大にしておく。iPadのヘッドホンジャックにケーブルが差さっているので、この時点では音は聞こえない。

MacでGarageBandを起動

Mac上でGarageBandを起動し、新規プロジェクトを作成する。テンプレートはどれを選んでもいいが、とりあえずVoiceを選ぶ。プロジェクト名は好みの名前で。テンポや拍子記号、キーなどはデフォルトのまま。

新規プロジェクトを作成する

テンプレートのトラックを削除

Voiceを選んで新規プロジェクトを作成すると、はじめからMale BasicとFemale Basicというトラックが表示されているが、これらは必要ないので削除しておく(メニューのトラック→トラックを削除)。

Male BasicとFemale Basicのトラックを削除する

新規トラックを作成

メニューのトラック→新規トラック...を選び、新しいトラックを作成する。トラックの種類は「リアル音源」を選ぶ。

中央の「リアル音源」を選ぶ

環境設定でオーディオ入力を内蔵入力に

GarageBandの環境設定を開き、「オーディオ/MIDI」の「オーディオ入力」を「内蔵入力」にセットする。

オーディオ入力を「内蔵入力」に設定する

GarageBandにiPadからの音声が入力されているかを確認

この時点で、GarageBandにiPadからの音声が入力されているはずだ。まず、トラックのレベルメーター(緑色のインジケーター)が左右に動いているかを確認する。Macのスピーカーからは、まだ音は出ていない。

緑色のレベルメーター(上図右側)が左右に動いていることを確認する

モニタを「入(フィードバック保護なし)」に

GarageBandウインドウの右下のほうにある「モニタ:」で「入(フィードバック保護なし)」を選ぶ。これで、Macのスピーカーから、iPadのradikoが再生しているラジオが聞こえる。

また、「モニタ:」の上にある「入力源:」は「ステレオ1/2(内蔵入力)」を選んでおく。

音が割れるほど大きい場合や聞こえないほど小さい場合、「録音レベル:」のスライダーで調整する。私の場合は真ん中(50%)でちょうどよかった。ただし、ここを調整する前に、Mac本体の音量設定が大きすぎたり小さすぎたりしていないかを確認しておいたほうがよい。iTunesでなにか曲を再生してみて、それと同じような音量になるよう、録音レベルを調節する。

モニタを入(フィードバック保護なし)に、入力源をステレオにセットする

録音を開始/終了

これでようやく録音の準備が整った。録音したいタイミングで録音ボタン(赤い丸)をクリックすれば、録音が開始される。録音を終了したいタイミングでもう一度クリックすれば、ストップする。

赤丸の録音ボタンをクリックして録音開始、もう一度クリックすれば停止

GarageBandからiTunesに転送

録音が終わったら、録音データをiTunesに転送する。GarageBandのメニューから共有→iTunesに曲を送信...を選び、任意の名前をつけて共有ボタンをクリックする。録音した長さとMacのスペックにもよるが、処理には数分程度かかる

任意の名前をつけて共有ボタンをクリックする

iTunes上で確認

iTunes上では、先ほど指定したプレイリストの中に、GrageBandのプロジェクト名の曲が転送されている。iTunes上で再生して録音状態を確認する。

iTunes上で確認する

これをiPhoneやiPadに同期させれば、いつでも聴くことができる。


GarageBandの操作に慣れていれば、iTunesに転送する前に自由に編集して、必要な部分だけを切り出すこともできる。

iPadでなくiPhoneで同じようにやってもできるが、その場合、電話がかかってこないことを祈る必要が出てくるだろう。また、iPadであっても、通知センターが音を鳴らすことがあるので、音での通知を事前に切っておくことを考慮した方がよさそうだ。

ごくたまにラジオを録音したい場合は、このようなやり方でできることがわかったが、頻繁に録音したい場合は専用機器を使ったほうがよさそうだということも、また事実のようである。

関連項目:音楽を楽しむ装置

2013年12月7日土曜日

Evernoteの使い道 その後

Evernoteを実用に使い始めて1年半ほど経つ。Webクリッピングを中心にした使い方が習慣化して、今では手放せないツールになっている。

使い始めた頃は、ノートの整理方法として、ノートブックをたくさん作っていく分類よりも、気軽なタグ付けによる方法がいいと感じていた。一つのノートを複数のノートブックに入れることはできないが、複数のタグを付けることはできるので、柔軟な整理や検索ができると思っていた。

ところが使い込むうちに、タグでの分類方法をあまり便利に感じなくなってしまった。全文検索を使えば、タグをつけるまでもなく目的のノートを探すことができるので、タグを起点にノートを探すことを、自分はほとんどしていないことに気がついた。

ノートの中にある単語と同じ文字列のタグをつけたところで、検索するためには全文検索で事足りるということになる。

以前の記事で、「タグを付けられるのであれば、ノートブックは1つでいい」と書いたが、上記のような経緯で、今では「分類はノートブックでやる」という方針に変えた。

では、タグを何に使うか。

タグを「分類(客観軸)」に使うのではなく、「そのノートを参照する自分の目的(主観軸)」という視点で使うことにしてみたらどうだろうか。

例えば旅行好きの人が、旅行に関係するWeb記事を多数クリッピングしていたとする。それらの記事は、「旅行」というノートブックにまとめてしまうとざっくりしすぎなので、例えば「温泉」とか「ビーチ」とか「航空会社」などの分類でノートブックを作り、必要ならそれらを「旅行」というスタックでまとめておく。

このように、ノートブック(とスタック)を使って、記事の内容による客観的な分類をしておく。

ここまでは、タグはいっさい使っていない。

さて、今度の正月休みの旅行計画を立てようとしたとしよう。ここで初めてタグを使う。例えば、以前クリッピングしていた、ある温泉宿の記事(ノート)を見ていて、「ここは次の旅行先の候補だな」と思ったとき、そのノートに「2014年正月旅行先候補」というようなタグを付ける。

別の宿や、あるいは航空会社に関連する記事(ノート)も、次回の旅行の検討で参照しておきたいと思ったものには、同じ「2014年正月旅行先候補」というタグを付けておく。

こうすれば、「今度の正月旅行」という「自分の目的」に関連したノートに、すぐにアクセスできるようになる。

Evernoteでのタグは、複数のノートブックに分散したノートを、「自分の目的」でまとめたい場合に、その便利さが発揮される手段になるかもしれない。

2013年10月26日土曜日

視覚で重さを感じる

手持ちのiPhoneをiOS7にアップデートしたときに、そのシンプルな画面に好印象をもつと同時に、面白い身体感覚を経験した。

iPhoneでロック画面を解除するときは、画面下部に表示されている「スライドでロック解除」という部分を右方向にスワイプする。このやり方は、iOS7以前でも同じだ。ただ、iOS7では、スワイプすると画面全体が右にスクロールして、パスコードを入力するためのテンキー画面が表示されるようになった。

以前は、角丸四角のスライダーアイコンだけが右にスクロールしていたが、画面全体が動くようになったら、指でスワイプするときに以前より「重く」感じるようになった。物理的になにも変わっていないが、画面全体が動くという視覚効果によって、重く感じるようだ。

視覚効果だけで重さを感じられるとしたら、UIの作り込み方の幅も広がるかもしれない。

2013年8月19日月曜日

デジタルサイネージに表示してほしいもの

デジタルサイネージ(digital signage 電子看板)を駅や街頭で見かけるようになってきたが、その多くは広告を表示しているようだ。品川駅の高輪口から港南口へ抜ける通路の柱にはデジタルサイネージが連なっており、初めて見たときは圧倒された。

ところが、そこに何の広告が表示されていたかを思い出すことができない。「圧倒的な迫力」という感覚だけは残るが、そのコンテンツまで意識が及ばないという感じだ。見ている間に表示内容が次々と変わっていくことも、その理由かもしれない。記憶に残るためには、迫力よりもそのとき必要だと思う役に立つ情報や、いつ見ても同じ情報(例えば何年も同じ場所に掲示してある老舗和菓子店の広告とか)が表示されていることが重要なのだろう。

先日、福岡の太宰府を訪れた際に乗り換えた西鉄二日市駅のホームで、下の写真のような行き先表示板を見かけた。駅の行き先表示板といえば、天井からつり下げられた横長の表示板をよく見かけるが、こちらはホームの中央で目の高さに設置してあった。これがとても見やすく感じた。慣れない駅で、乗り換えホームの場所を分かりやすく示してくれている。

今欲しい情報を目の高さで。

内容が広告であっても、見る人にとってそれがタイムリーで見やすいものであれば、広告の効果は高まるだろう。最近は、コーヒーショップなどの店先で、黒板のメニュー代わりに小型のデジタルサイネージで写真入りのメニューを表示している場所も見かける。「この店にしようかどうか」という人にとって、それはじっくり見る対象となりえる。

西鉄二日市駅のデジタルサイネージ(電光掲示板と呼んだほうがいいかもしれない)

2013年8月18日日曜日

美味い牛肉をいただく

神戸の三宮界隈を久しぶりに訪れ、北野の異人館や元町を散策した後、神戸牛ステーキの店でランチをとった。

「神戸といえば神戸牛の鉄板焼き」というイメージが以前からあり、たまに訪れた時に食べることを楽しみにしている。

今回あまり下調べもせずに訪れ、Google Mapで「三宮 ビーフ」と検索してみたところ、評判の良さそうな店が見つかった。

「神戸牛ランチ」というそのものズバリのメニューを選び、焼き加減はレアでお願いした。熟練のシェフの手で目の前の鉄板で焼かれた神戸牛を口にすると、「牛肉ってこんなに美味かったんだ」ということを思い出した。そして肉だけでなく、それにつける塩も美味かった。

素材の良さとシェフの腕前がなせる味に出会うことができた一日となった。

神戸ステーキishida 三宮店にて

2013年5月5日日曜日

美術館で受ける刺激

考えるのではなく、感じる。それを意識させてくれる場所として、美術館に行く。

芸術作品に触れるとき、それを頭で理解しようとすると「わからない」という感想になってしまうことが多い。現代アートを見る時は特にそうだ。

なんだこれ?

という言葉が頭に浮かぶ。

そんな言葉が浮かんできてからが、鑑賞のはじまりだ。「役に立つか立たないか」という発想から、自分が抜け出すことができるかどうか。

作者がこれを創った動機はなにか?

そこに思いを馳せてみる。そうすると、想像力が目を覚まし、さまざまな思いが駆け巡るようになる。

そこにあるモノにとらわれるのではなく、それを創ったヒトに意識を向けてみる、と言ってもいい。

まあ、妙な理屈を付けて、無理して解説しようとする必要もない。なにかひとつでも気づきがあれば、それを見た価値がある。

東京都現代美術館