デジタルサイネージ(digital signage 電子看板)を駅や街頭で見かけるようになってきたが、その多くは広告を表示しているようだ。品川駅の高輪口から港南口へ抜ける通路の柱にはデジタルサイネージが連なっており、初めて見たときは圧倒された。
ところが、そこに何の広告が表示されていたかを思い出すことができない。「圧倒的な迫力」という感覚だけは残るが、そのコンテンツまで意識が及ばないという感じだ。見ている間に表示内容が次々と変わっていくことも、その理由かもしれない。記憶に残るためには、迫力よりもそのとき必要だと思う役に立つ情報や、いつ見ても同じ情報(例えば何年も同じ場所に掲示してある老舗和菓子店の広告とか)が表示されていることが重要なのだろう。
先日、福岡の太宰府を訪れた際に乗り換えた西鉄二日市駅のホームで、下の写真のような行き先表示板を見かけた。駅の行き先表示板といえば、天井からつり下げられた横長の表示板をよく見かけるが、こちらはホームの中央で目の高さに設置してあった。これがとても見やすく感じた。慣れない駅で、乗り換えホームの場所を分かりやすく示してくれている。
今欲しい情報を目の高さで。
内容が広告であっても、見る人にとってそれがタイムリーで見やすいものであれば、広告の効果は高まるだろう。最近は、コーヒーショップなどの店先で、黒板のメニュー代わりに小型のデジタルサイネージで写真入りのメニューを表示している場所も見かける。「この店にしようかどうか」という人にとって、それはじっくり見る対象となりえる。
西鉄二日市駅のデジタルサイネージ(電光掲示板と呼んだほうがいいかもしれない) |