iPhoneやiPad(iOSデバイス)と、Android。使い比べてみると何が違うのか。先日Androidの7インチタブレットNexus 7を購入したことをきっかけに、いくつか感じたことがあった。
iPad 4(左)とNexus 7 |
アイコンのデザイン
iOSデバイスとAndroid端末の画面を見たときにまず気がついたのは、アイコンのデザインだ。iOSアプリのアイコンは外形が必ず角丸の正方形になっているが、Androidにはその制約がない。見た目には、iOSのほうが整然とアイコンが並んでいるように見え、Androidは少しガチャガチャとした印象がある。
iOSでは、アプリのアイコンは必ずとなり同士がくっつくように並べるしかないが、Androidではアイコンを置かない場所をつくることができ、レイアウトの自由度が高い。なぜiOSでこれができないのか、以前から不思議に思っている。
アイコンを置ける場所
iOSでは、アプリのアイコンは必ずとなり同士がくっつくように並べるしかないが、Androidではアイコンを置かない場所をつくることができ、レイアウトの自由度が高い。なぜiOSでこれができないのか、以前から不思議に思っている。
ホームボタン
iOSデバイスでは、iPhoneでもiPadでも、物理的なホームボタンが付いているが、Android端末では、ホームボタンは画面上に表示されている。縦位置から横位置に持ちかえるとホームボタンもついてきて、常に画面下中央に表示されるようになっている。
以前iPhone 4を使っていた時に、ホームボタンが反応しにくくなった経験があり、メカニカルなボタンのデメリットを実感した。高頻度で使うボタンだけに、信頼性という意味ではiOSデバイスのボタンには不安が残る。
「一つ前に戻る」ボタン
Androidには、ホームボタンの左側に、「一つ前に戻る」ことができるボタンがついていて、これがとても便利だ。iOSの場合、画面左上に「戻る」というボタンが表示されることが多いが、独自仕様のアプリもあり戸惑うこともある。
ウィジェット
iOSにはなく、Androidにある機能の一つがウィジェットだ。iOSでは、ホーム画面上にアプリのアイコンしか置けないが、Androidでは、例えば天気予報などのちょっとした情報をホーム画面上に置くことができる。
MacやWindows PCでも同様の機能が昔からあるが、常用することはなかった。しかし、携帯デバイス上でのウィジェットの機能は、とても便利に感じるから不思議だ。
ファイルシステム
iOSとAndroidそれぞれで、ファイルシステムの扱い方について、これらのデバイスがまだまだ発展途上にあることを感じた。
iOSデバイスではアプリごとにファイルシステムが閉じており、例えば、参照したいPDFファイルをiPhoneに入れておく場合、「どのアプリに入れるか」を、iTunes上であらかじめ選択する必要がある。GoodReaderで読むことにしたPDFは、iBooksからはアクセスできない。
一方でAndroidでは、PCにつなぐと内部のファイルシステムが丸見えになっている。端末側からファイルシステムにアクセスできるアプリもあり、この辺りはPCの考え方に近い。ESファイルエクスプローラーという定番アプリを使えば、自端末のファイルシステムにアクセスすることができ、例えばPDFファイルにアクセスすると、「どのアプリで開くか」を選ぶことができる。
端末に入れたファイルの扱い方について、AndroidはPCに近いやり方で割り切っているように思う。逆にiOSは、なんとかして「ファイル」という概念を無くして、ポストPC時代をiOSで切り開こうとしているようにも思えるが、まだ模索段階にあるようだ。
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市場が成熟した感のあるPCに比べて、スマートフォンやタブレットはこれから様々なイノベーションが期待できる。iOSもAndroidも、MacやWindows PCが築いてきた技術的基盤を利用しながら、日々進化を続けている。iOSとAndroidのどちらが優れているかという点については、どこを切り取りどんな価値観で評価するかで、良い評価にも悪い評価にもなり得る過渡期にいるという印象だ。それぞれ一長一短があり、どちらかが圧倒的に優れているという印象ではない。主要なアプリが双方のデバイスに供給される限り、これからも競争が続くだろう。今後の進化がますます楽しみだ。