先日、「弱さのデザイン」という考え方を、このページで知りました。
とてもしみじみしたので、ご紹介させていただこうと思いました。
以前の記事(2006年12月10日)で、
「デザインとは、混沌とした世界から、本質を見つけ出し、不要なものをそぎ落としていくという行為」
と書いたことがありましたが、
本質を追究するあまり、合理性への偏りが生じてしまう危険性を、
「弱さのデザイン」の記事は、気づかせてくれました。
『...弱さとは、合理的でないもの、目に見えないもの、手に触れられないもの、あいまいなもの、不定形なものなど、
近代合理主義の枠から外れるものをいい、それらを抹殺することによって、強さをつくり出したのです...』
という指摘は、ハッとさせられました。
『そもそも人間とは、さほど強いものでもありません。
移ろいやすく気まぐれで、傷つきやすくて脆いものです。
そうした人間を取り巻く世界は、近代のいうところの合理性とはだいぶ違うものです。』
お客さまのためのデザインを考えるときに、忘れてはいけない視点だと思いました。
本質を追究することが、合理性の追求とはイコールではないことを認識しておく必要があるようです。
「人にやさしい合理性」に到達できるか、それとも「人を困らせる合理性」になってしまうのか、
その分かれ目になるのかもしれませんね。